オゾン発生器の仕組みや人体への安全性│効果や具体的な用途・選び方も解説
オゾン発生器とは、発生させたオゾンを除菌や消臭などに活用する装置です。
新型コロナウイルス感染症対策などで注目を集めるオゾン発生器ですが、仕組みがよく分からない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、オゾン発生器の仕組みや用途、オゾンの安全性、オゾン発生器の選び方も紹介します。ぜひ参考にしてください。
オゾンとオゾン発生器について
オゾンは自然界にも存在する物質です。オゾンの特徴や、オゾン発生器がオゾンを発生させる仕組みを解説します。
オゾンとは?
O₃の分子式で表されるオゾンは、酸素原子が3つ結合した物質です。酸素分子がO₂であることから、オゾンは酸素分子よりも1つだけ酸素原子が多いと分かります。
オゾンは普段から空気中に存在します。
しかし、3つの酸素が結合した状態は不安定であり、長くオゾンの状態を保ってはいられません。
オゾン発生器は、不安定なオゾンの特性を除菌や消臭などに活用しています。
オゾン発生器とは?
自然界では、酸素に紫外線のエネルギーが作用するとオゾンが発生します。
一方、オゾン発生器では、主に以下の方式でオゾンを合成しています。
・無声放電方式
・沿面放電方式
・電気分解方式
・紫外線照射方式
無声放電方式はオゾン発生器によく見られる方式で、放電によるエネルギーで大量のオゾンを生み出します。
沿面放電方式では、誘電体の表面で生じる沿面放電現象を利用しています。
電気分解方式は、水の電気分解を行うことで酸素とオゾンを発生させます。
紫外線照射方式は空気中に紫外線を照射してオゾンを発生させる方式です。酸素は空気中に含まれるもので、特別に材料を用意する必要がありません。
そのため、オゾン発生器は、維持費の少ない装置といえます。
オゾンによる消臭・細菌やウイルスの分解メカニズム
オゾンの強い酸化作用で、細菌などの細胞や、臭いの元などの物質を破壊することが可能です。
前述したように、オゾンはすぐに酸素分子に戻ろうとします。
オゾンに酸素原子を渡された物質は、水や窒素などの無害な物質に分解されます。
酸素は空気中にも含まれる物質であり、よほど高濃度にならない限り人体に悪影響はありません。
つまり、オゾン発生器は人体にやさしい消臭・殺菌手段といえます。
オゾン発生器の効果
オゾン発生器を使うと、ウイルスや細菌の除去、消臭や脱色が期待できます。
オゾン発生器の効果を詳細に解説します。
1.ウイルスや菌の除去
オゾンは、塩素や過酸化水素の酸化作用よりも強い除菌効果を発揮します。オゾンの酸化力はフッ素に次ぐ高いもので、塩素や過酸化水素を上回るためです。
定説とされてはいませんが、近年では、奈良県立医科大学や藤田医科大学などで、オゾンによる新型コロナウイルス感染症の不活性化も確認されています。
奈良県立医科大学では、オゾンの濃度が高いほど、新型コロナウイルスの不活性化が進行したと発表しました。
藤田医科大学では、低濃度のオゾンでも、時間をかければ新型コロナウイルスの不活性化が可能であると報告しています。
2.消臭
オゾンは、タバコ・ペット・し尿・生ゴミなどの臭いを分解可能です。
一般的な芳香剤は臭いの元を包み込んで消臭するため、時間とともに臭いが戻ってしまいます。
一方、オゾンは臭いの元を破壊することで、消臭するため、時間が経っても臭い戻りが発生しません。
オゾンによる消臭が難しいケースも把握しておきましょう。
成分にもよりますが、香水や石けん、塗料やガソリンなどの臭いは、消臭効果が弱まる恐れがあります。
3.脱色
染料を含む廃液にオゾンを混ぜ合わせると、染料が分解されて廃液が脱色されます。
また、アパレルブランドにて、デニム生地をオゾンで脱色した事例も報告されています。
オゾンの安全性に対する学術団体の見解
オゾンの強い酸化作用を知り、危険ではないかと不安になる人もいるかもしれません。
日本産業衛生学会はオゾンの許容濃度を0.1ppm以下と定めており、濃度を守ってオゾン発生器を使用すれば、安全と考えられます。
ppm(parts per million)は、わずかな濃度を表現する際の単位です。
100ppmは0.01%、1ppmは0.0001%です。
※参考:許容濃度等の勧告(2021年度) | 日本産業衛生学会
オゾンの濃度が0.1ppmを超えると、人体に悪影響が及びます。
具体的には、喉・鼻・目に痛みが発生したり、頭痛や息苦しさを感じたりします。
高濃度のオゾン環境で長時間過ごすと、命にかかわる場合もあります。
オゾン発生器は許容濃度を守って使用しましょう。
オゾン発生器が使われる施設・場所
多くの施設や場所で、オゾン発生器が除菌や消臭などに活用されています。
オゾン発生器が使われる施設や場所を、一部紹介します。
・ホテルや旅館
・病院
・保育施設
・介護施設
・オフィス
・救急車などの緊急車両
・タクシーやレンタカーの車内
・新幹線内や電車内
・ペットショップ
・飲食店
・食品工場やスーパー
・物流関連の施設
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オゾン発生器を使用する注意点
オゾン発生器を使用する際は、使用条件に注意し、関係者への連絡も徹底しましょう。オゾン発生器を使用する注意点を解説します。
1.目的に応じたオゾン濃度と接触時間を把握する
高濃度のオゾンは高い消臭・殺菌効果を発揮しますが、人体へのリスクを考慮しましょう。
目的によっては、オゾンをそれほど高濃度にしなくても済みます。
オゾンを高濃度で使う場合は、短時間にとどめるなど計画的に使用してください。
なお、オゾン濃度が低くても、稼働時間を延ばせば十分な効果を得られる場合があります。
2.オゾンが高濃度の空間には立ち入らない
高濃度のオゾンを放出する場合は、スタッフに周知しておくと事故を防げます。
たとえば、ホテルで客室の消臭・殺菌にオゾン発生器を使っていると、稼働中にスタッフが客室に入ってくるかもしれません。
その際、高濃度のオゾンの危険性に加え、独特の臭いがあることをスタッフに伝えることで、自己防衛につながります。
オゾン発生器と空気清浄機の違い
オゾン発生器と空気清浄機は仕組みが異なります。
空気清浄機は、吸い込んだ有害物質を内部のフィルターで捕まえ、清浄な空気のみを送り出します。
また、脱臭・消臭の範囲が限られ、オゾンが得意とするウイルスや細菌・強い臭いには効き目が弱い傾向があります。
花粉やホコリの除去は空気清浄機でも対応できるため、目的に応じてオゾン発生器と空気清浄機を使い分けましょう。
オゾン発生器が選ばれる理由
除菌・消臭ツールには、空気清浄機以外にも次亜塩素酸水、アルコール除菌グッズなども挙げられます。
オゾン発生器が注目される理由を、耐性菌の有無・安全性・手軽さの3つの観点から解説します。
1.耐性菌が発生しない
細菌に薬品が複数回接触すると、耐性菌が発生する恐れがあります。
耐性菌とは、薬品の効き目を上回る防御力を習得した細菌です。
薬品の効き目が弱かったり、使用期間が短かったりすると、耐性菌が発生する可能性が高まります。
オゾンは細胞核を破壊して除菌するため、耐性菌が発生しません。
2.安全性が高い
オゾンには残留毒性がありません。
低濃度で使えば、安全性の高い消臭・殺菌方法といえます。
一方、塩素系の薬剤には残留毒性があるため、使用した後は拭き取らなければいけません。
3.手間がかからない
アルコールや塩素系の薬剤は、人の手で少しずつ処理をする必要があります。
ドアノブやテーブルなど広範囲に使うには手間がかかり、処理し忘れる部分も出てくるかもしれません。
オゾン発生器は、空間にオゾンを拡散させます。装置のスペックにもよりますが、体育館などの広いスペースでも効果を発揮します。
オゾン発生器の選び方
オゾン発生器の選び方を、有人状態での使用可否・オゾン発生量・風量について解説します。
1.有人状態での使用可否
無人状態での使用を前提とした機種は、高濃度のオゾンを発生させるケースが多い傾向があります。高濃度のオゾンは除菌や消臭などの効果が強い反面、人体へのリスクも想定しなければなりません。状況にもよりますが、有人状態で使用できるオゾン発生器も検討しましょう。
2.オゾン発生量
オゾン発生量が多いほど、単位時間あたり多くのオゾンが発生します。オゾン発生量は、○○mg/hと書かれた数値を見て確認しましょう。
無人状態での使用を前提としたオゾン発生器は、有人状態で使用する装置と比べると、10~100倍ほどオゾン発生量が多くなっています。
3.風量
風量は、〇〇㎥/hの数値を見ると分かります。風量が強いほど、オゾンの拡散力が強く広い空間に対応可能です。
また、狭い空間で使用する場合でも、風力が強いと短時間で消臭・殺菌ができます。
まとめ
オゾン発生器は、空気中の酸素からオゾンを生成します。
オゾンは消臭・殺菌などの効果を発揮した後、無害な酸素に戻ります。
高濃度のオゾンは人体に危険が及ぶため、適切な濃度で利用しましょう。
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