セラチア菌の性質とオゾンによる除菌方法について(院内感染の対策法)

セラチア菌をオゾンによって除菌する方法をご紹介します。

【井上医師コメント】
セラチア菌は、健康な人にとっては基本的に無害ですが、易感染患者に感染すると様々な症状を引き起こすリスクがあります。
特に医療施設や福祉施設における院内感染には注意すべき病原菌でしょう。
このコラムでは、そんなセラチア菌の特徴と、セラチア菌をオゾンによって除菌する方法をご紹介します。

オゾン漫画

セラチア菌は水や土壌に広く分布しており、室内では洗面台や浴室などの湿潤環境にも存在しています。

表面に付着してバイオフィルムを形成していることもあります。

また症状の出ていない尿路保菌者や不適切に扱われた注射薬・輸液内などに存在することもあるそうです。

セラチア菌

病院などの室内では、主に湿潤環境でセラチア菌に汚染された手や指を介して器具・薬剤・物品などに細菌が伝播していきます。
そして、最終的には人に感染することがあります。

問診

セラチア菌は病原性が弱いので、通常健康な人に対しては無害です。

しかし、手術の後や基礎疾患にかかるなど、何らかの理由で感染リスクが高まった易感染患者に対しては、肺炎や腹膜炎、敗血症、髄膜炎、尿路感染症などを引き起こし、ひどいケースでは多臓器不全により死亡に至るリスクもあるとされています。

このため、易感染患者が多く、また手術などで感染しやすい部位を細菌に晒すリスクが高いと思われる医療施設や福祉施設などでは対策が必要な病原菌だと言えるのではないでしょうか。

「オゾン発生器」をチェック

セラチア菌は、主に室内では洗面台や浴室などの湿潤環境に存在するので、まずはそういった所を清掃して清潔に保つことが基本でしょう。

ただし、環境に常に存在するセラチア菌をすべて殺滅するのは困難であると考えられますので、感染の原因をある程度特定して対策を行うというのが効果的かもしれません。

以下に対策例をいくつかご紹介しましょう。

手や指の洗浄・消毒を欠かさずに行う、手袋を装着する

やはり手や指を介して接触などで感染することが多いです。
特に人の感染しやすい部位に接触する際は必ず手の洗浄・消毒を行い、手袋を装着するべきでしょう。

手洗い

食器や洗面器具、医療器具などもしっかりと洗浄・除菌する

医療器具

食器や洗面器具は湿潤環境でセラチア菌に汚染されやすいかもしれません。
また、医療器具も含めて人に接触しやすく感染を招きやすいと考えられます。
熱水による洗浄や消毒を定期的に行うなどの対策を行うべきでしょう。

厳格な衛生管理の下で薬剤を使用する

点滴

こちらは主に医療施設の場合になるかと思われますが、不適切に扱われた輸液や注射薬、低水準の消毒薬がセラチア菌に汚染されることもあるそうです。

輸液や注射薬からはセラチア菌が易感染患者に血流感染する危険性があり、低水準の消毒薬は消毒の際に他のものをセラチア菌で汚染するリスクがあります。

このようなリスクを避けるために、特に患者に投与するような薬剤を使用する場合、厳格な衛生管理を行うことが必要でしょう。

以上が基本的な対策となるのではないでしょうか。

ただし、セラチア菌は抗菌薬に対して耐性を持つものもあり、的確に対策を行うことは一筋縄ではいかないようです。

各種消毒薬を適切に扱うのも大変な労力となるでしょう。

ここでお勧めしたいのが、オゾンを利用した除菌方法です。

あいおんの丘 大子 様 オゾンクラスター1400導入事例

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当社のオゾン発生器をご利用頂いている介護施設に取材した内容を、事例としてご紹介させていただきます。茨城県にある「特別養護老人ホーム あいおんの丘様・導入事例」汚物処理室の脱臭に使用。感染症への効果も期待しています。

オゾンイメージ画像

オゾンとは、O₃という分子式で表される化学物質の名前です。
除菌や脱臭に広く用いられています。
実はオゾンには、セラチア菌を除菌する効果があります。

下記は日本医療オゾン学会獣医部会「動物臨床におけるオゾン水の利用指針」より引用した、オゾン水(オゾンを溶け込ませた水)の除菌効果に関するデータです。
2mg/Lのオゾン水に対して、最終的にはセラチア菌は不検出となっていますね。

オゾン水の臨床分離株に対する効果

オゾン水の臨床分離株に対する効果

このようにオゾンが菌などを除菌する力を持っているのは、オゾンに強い酸化作用があるからなのです。

オゾンは結合のエネルギーが弱いため、簡単に分解してしまいます。

この時に生まれるのが酸素分子(O₂)と酸素原子(O)です。

オゾン分解図

このうち、酸素原子は反応性が高く、他の物質を酸化する作用を持っています。

これがオゾンの酸化力の源で、その強さはフッ素に次ぐと言われています。

この分解による酸化作用によって、細菌やウイルス、カビや有害物質などを強力に分解・除去してくれます。

さらに、オゾン分解後はすべて酸素になるので、使用後に有害物質が残ることもありません。

除菌・脱臭の手段としては極めて便利で効果の高いものとなりますね。

「オゾン発生器」をチェック

医療施設や介護施設、その他サービス施設などでオゾンによる除菌を行いたい場合、市販の人工オゾン発生器を利用することができます。
ここではオゾン発生器を用いた除菌方法を少しご紹介しましょう。

無人環境用オゾン発生器を使って除菌する方法

無人環境用のオゾン発生器とは、高濃度のオゾンを気体として発生させて空気中に放出する器機です。
除菌を行いたいときは、無人にした室内空間に設置して、本体から気体オゾンを一定時間放出しましょう。
そして十分な量のオゾンを放出したら、室内のオゾンが分解し空気の除菌を行ってくれるので一定時間待機します。

待機が終わったら部屋を換気しましょう。これで除菌は完了です。
高濃度の気体オゾンによる除菌は、定期的に施設内の空気全体を除菌したい場合に有効な手段となるでしょう。

オゾン水生成器でオゾン水を作って除菌する方法

続いてはオゾンを溶け込ませた水であるオゾン水を作って除菌を行う方法をご紹介します。
手指や、食器・洗面器具、医療器具など特に重点的に除菌すべきものに対してはオゾン水で洗浄・除菌すると良いでしょう。
オゾン水は、市販のオゾン水生成器を使えば簡単に作ることができます。

オゾンバスターを使用している様子

オゾン水が生成出来たら、濃度が薄くならないうちに使用します。
除菌したいものをオゾン水の中につけ置きましょう。

医療器具をオゾン水に浸ける様子

サイズが大きいものや、水中につけ置くことができないものは、例えばオゾン水を霧吹きで吹きかけたり、布に染み込ませて拭くことだけでも除菌することが可能です。

うらかわ歯科医院様 オゾンバスター導入事例

- 導入事例を見る -

当社のオゾン水生成器をご利用頂いている「うらかわ歯科医院様・導入事例」診察室内の様々な場面で除菌に使用しています。

「オゾン水生成器」をチェック

以上、オゾンによってセラチア菌を除菌する方法をご説明してきました。

医療施設や介護施設を運営されている方などには、特におすすめしたい除菌方法です。

しっかりとした除菌効果があり、導入も容易なので、これを機に利用されてみてはいかがでしょうか。

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