CT値到達時間計算機の仕組みについて
オゾンマート製品使用時のCT値60到達時間を計算する「目標CT値到達時間計算機」の仕組みについて解説します。
そもそもCT値とはなにか
CT値は、空気中のオゾンと空気中の物質 (ニオイ物質、カビ菌、ウィルスなど) の接触強度を数値で表したものです。
CT値=オゾン濃度(ppm)×接触時間(分)
この値が大きいほどオゾンと空気中の物質の接触量が多い事を示し、消臭・除菌効果も大きくなります。以下にCT値が60となる3つのケースをあげます。 この3つのケースはオゾン濃度と接触時間が全てそれぞれ異なりますがCT値は同じ60ですので、その効果は3ケースとも同じであると考えます。
表1. CT値が60となる例
オゾン濃度 | 接触時間 | |
---|---|---|
ケース1 | 1.0 (ppm) | 60 (分) |
ケース2 | 0.5 (ppm) | 120 (分) |
ケース3 | 5.0 (ppm) | 12 (分) |
実際のCT値の計算はすこし複雑です
上記表1の例では、室内のオゾン濃度は最初から最後まで一定である前提で計算をしています。 例えばケース1の場合は室内は最初から最後までずっと1ppmであったという前提です。 ですが、実際にオゾン発生器を使って消臭・除菌を行う際のオゾン濃度は一定ではありません。 オゾン濃度が極めて低い状態 (※) から始まり、オゾン発生器が生成するオゾンにより時間とともに徐々にオゾン濃度は上昇していきます。
※ 大気中に存在するオゾンの濃度は 0.005ppm前後。
以上のことから、オゾン発生器を使用した場合のCT値を計算するためには時間とともに変化していく濃度を考慮に計算を行う必要があります。
オースリークリア3を使った場合の計算
オゾンマートでもっとも多くのお客様にご利用いただいているオゾン発生器オースリークリア3を例に、オゾン発生器を使った場合の計算方法を見ていきましょう。
床面積 20(m2)、天井高 2.5(m) の室内でオースリークリア3を使うと、理論値では1秒あたり 0.001557(ppm) ずつオゾン濃度は上昇します。 このときt秒後のオゾン濃度を Dt とすると、その変化は表2のようになります。
表2. t秒後のオゾン濃度
(オースリークリア3、床面積 20m2、天井高 2.5m)
D1(1秒後) | D2(2秒後) | D3(3秒後) | Dt(t秒後) | |
---|---|---|---|---|
オゾン濃度 (ppm) | 0.001557×1 | 0.001557×2 | 0.001557×3 | 0.001557×t |
ケース2 | 0.5 (ppm) | 120 (分) | 0.5×120=60 |
オゾン濃度は1秒毎に変化してきますので、CT値も1秒毎に変化していきます。
例えば、オースリークリア3を使い始めて1秒後のオゾン濃度は D1 なので、その濃度における1秒間のCT値は
- CT値で使用する時間の単位は (分) ですので、1秒あたりのCT値を計算するときは 1/60 を掛ける必要があります。
オースリークリア3を使い始めてt秒後における1秒毎のCT値を CTtとすると、その変化は表3のようになります。
表3. t秒後の1秒あたりのCT値
1秒後 | 2秒後 | 3秒後 | t秒後 | |
---|---|---|---|---|
CTt (1秒あたりのCT値) | D1・1/60 | D2・1/60 | D3・1/60 | Dt・1/60 |
ケース2 | 0.5 (ppm) | 120 (分) | 0.5×120=60 |
よって、オースリークリア3を使い始めて t秒後 の累積CT値は1秒毎のCT値の総和となり、以下のようになります。
この値 (累積CT値) が60となるときの t が、CT値60到達時間となります。
今回の例 (オースリークリア3、床面積 20m2、天井高 2.5m) の場合、t秒後 のオゾン濃度 Dt は
でしたので (※ 表2を参照)、累積CT値は最終的に以下のようになります。
これより、以下の方程式を満たす t がCT値60到達時間となり、この計算機も実際に以下の方程式を解くことにより到達時間を求めています。