ノロウイルスの処理について|ノロの嘔吐物のオゾンによる処理方法を解説
下痢や嘔吐などを引き起こし、患者を苦しめるノロウイルス。特に患者の吐しゃ物の処理は大変で、吐しゃ物からの二次感染を防ぐことも容易ではありません。二次感染を防ぐためには、吐しゃ物を十分に除菌する必要があります。
そこで、このコラムではノロウイルス感染者の吐しゃ物をオゾンによって除菌処理する方法をご紹介します。
ノロウイルスってどんなウイルス?症状は?
ノロウイルスは極めて強い食中毒を引き起こすウイルスです。ヒトに感染すると腸内で増殖し、下痢と嘔吐を引き起こします。
現在、ノロウイルスに対する抗ウイルスが存在しないので、ノロウイルスの患者は感染後1日~2日は下痢と嘔吐の症状に苦しむことになります。そのため、体力のない高齢の患者が命を落とすケースもあり、大変危険なウイルスだということがわかります。
ノロウイルスは二枚貝などの魚介類から手や指を介して人に感染することが多いです。二枚貝から感染することが多いのは、海中の二枚貝がヒトの糞便によってノロウイルスに汚染された海水を餌のプランクトンと一緒に取り込み、その結果ノロウイルスを体内に蓄積しているからです。(食品分析開発センターSUNATEC 「ノロウイルスによる食中毒はなぜ無くならないのか」)
ノロウイルスは感染拡大しやすい
ノロウイルスは集団感染したり患者から二次感染するケースが多いのも特徴です。感染力の増す冬(12月~3月)では、例年1,000人を越える発症者が出ています。
例えば、飲食店や学校、食品工場など食べ物を扱う場では、ノロウイルスが付着した手や器具で食べ物を扱い、それらを食べることで集団感染する事例が多く発生しています。ノロウイルスに感染した患者の咳やくしゃみから飛沫感染したり、空気感染することもあります。
ノロウイルスは潜伏期間が24時間~48時間あるので、症状が出ない間に人のいる場へ出てきてウイルスをまき散らしてしまう、というケースは大いに考えられます。
また、ノロウイルスの感染者は、腸内で増殖したウイルスを下痢や嘔吐という形で体外に排出します。
従って、ノロウイルス患者の便や吐しゃ物にはウイルスが多く含まれているので、その周囲では感染する可能性が非常に高いです。
ノロウイルスの感染力の中でも、感染者の便や吐しゃ物からの二次感染はとても厄介なものだといえます。これについて、事例とともに説明していきたいと思います。
便や吐しゃ物からの感染拡大が特に脅威!?
ノロウイルス感染者の吐しゃ物から集団感染した事例としては以下のようなものがあります。
2006年、東京・池袋のホテルでノロウイルス感染者が館内のカーペットに嘔吐しました。カーペットは洗剤を用いて洗浄しそのまま使用していましたが、その後、同ホテルでノロウイルスに感染し発症したという人が347人も出ました。
カーペットや館内の空気の除菌を行わなかったために、ノロウイルスが残存していたのが原因です。
この事例では、ホテル側の対応も不十分であったと言えますが、ノロウイルス患者の便や吐しゃ物を処理する場合、普通に清掃しただけではウイルスが残存してしまい、適切に除菌したことにはなりません。
さらにノロウイルスは乾燥に強いので、残存したものが空気中に舞い上がり、ヒトに空気感染していきます。従って、ノロウイルス感染者の便や吐しゃ物からの感染拡大を防ぐためには、通常の清掃・洗浄に加えて、ウイルスが直接付着した箇所の除菌、および周囲の空気の除菌が必要となってきます。
ここで、上記2要件を満たしてくれるのが、オゾンの力を利用した除菌です。
ノロウイルスにも有効なオゾンの除菌力
ノロウイルスの除菌にはオゾンの力が有効です
オゾンとは、O₃という分子式で表される物質で、酸素(O₂)と同素体の関係にあります。自然発生し、大気中にごくわずかに存在しますが、人工的に発生させることも可能です。
オゾンは有機物由来の臭いや細菌、ウイルスを分解して除去する力を持っています。業務においても除菌や脱臭などの目的で幅広く利用されています。オゾンがこのような力を持っているのは、他の物質に対して強い酸化作用を及ぼすという性質があるからです。
オゾンの酸化作用
オゾンの酸化作用は以下のように説明できます。
オゾンは結合のエネルギーが弱いので、O₂とOに分解します。
このとき、酸素原子(O)は不安定な物質なので、他の物質と結合しようとします。
他の物質は酸素原子と結合するので酸化されることになります。このように、オゾンは他の物質を酸化させる力を持っており、その力は強力なものとなっています。
そして、オゾンを有害物質(今回の場合、ノロウイルス)に向けて放出すれば、酸素原子(O)がそれらと結合し、無害なものへと変えてくれます。これがオゾンによる除菌のメカニズムです。有害物質を根本から除去するのでその効果は高く持続的です。
今回のようにノロウイルス感染者の便や吐しゃ物からの感染を防ぐためには、このオゾンを人工的に発生させるオゾン発生器を用いた除菌が有効です。
高濃度オゾン発生器を用いてノロウイルスを除菌し、感染を防ごう
ノロウイルスの除菌にはオゾン発生器を利用することをお勧めします。
ここでは、ノロウイルス感染者が嘔吐した部屋(トイレなど)を例に、実際に弊社の高濃度オゾン発生器「オースリークリア3」を用いてどのように除菌すればいいかをご紹介したいと思います。
オースリークリア3は、無人環境でのみ使用できる高濃度オゾン発生器です。空気を材料にすることで人工的に気体オゾン(オゾン生成量600mg/hr)を発生させ、放出します。
基本的な使用方法としては、除菌を行いたい部屋(無人)に一定時間、オゾンを含む気体を放出し、その後しばらく部屋を閉め切って放置、その間にオゾンが部屋内を除菌してくれる、という流れになります。
使用時の注意として、オゾンは高濃度になると人体に有害となり、また独特な刺激臭がしますので、部屋の除菌後はオゾンの臭いがしないことを確認し、臭いがする場合はしっかりと換気を行う必要があります。
オゾンは分解しやすく、時間がたつと全て酸素になるため、残存したオゾンについて心配する必要はありません。
オゾンは有機物由来の臭いや細菌、ウイルスを分解して除去する力を持っています。業務においても除菌や脱臭などの目的で幅広く利用されています。
オゾンがこのような力を持っているのは、他の物質に対して強い酸化作用を及ぼすという性質があるからです。
清掃を行う前に、清掃を行う人が感染しないように対策をする
まず、吐しゃ物の除去・清掃を行う必要があるのですが、その際に清掃を行う者自身が感染しないように対策をする必要があります。マスクと手袋を必ずつけましょう。
マスクはできれば医療用のサージカルマスクなど、ウイルスを防いでくれるものがいいです。
清掃前に一度部屋をオゾン発生器で除菌しましょう。というのも、吐しゃ物から舞い上がったノロウイルスに空気感染する可能性があるからです。
除菌したい部屋を無人にし、オースリークリア3から部屋に高濃度オゾンを一定時間放出しましょう。
オゾンの放出が終わったら、しばらく部屋を閉め切って待機します。使用後は部屋内のオゾンの濃度が高くなるため、臭いがしないことを確認して換気を行います。
これで空気の除菌も完了です。
清掃時の拭き取りに、オゾン水を浸した布を使用する
清掃時、拭き取りを行う場合は、オゾン水を浸した布を使用すると拭き取りと同時に拭き取り箇所の除菌も行えるので効果的です。拭き取りは、吐しゃ物があった場所はもちろん、他にも人が触れていそうな場所や清掃時に自分の体に汚れが付着してしまった箇所など、ウイルスが付着していそうな所に対して行うとよいでしょう。
特に、吐しゃ物があった場所を単に水拭きやアルコール消毒するだけでは十分な除菌は行えませんので、オゾン水を浸した布による除菌は必須だといえます。
オゾン水は、オースリークリア3と付属品の配管用チューブ・エアレーションストーンを用いて簡単に作ることができます。
まず、バケツ等の容器に水を入れます。次に、配管用チューブの先端にエアレーションストーンを取り付け、エアレーションストーンを水中に入れます。後はオースリークリア3の電源を入れ、気体オゾンを水中に放出し、水に溶け込ませるだけです。水に気体オゾンが溶けこんだらオゾン水の完成です。
清掃後、もう一度部屋の空気を気体オゾンで除菌する
清掃後は、念を押してもう一度清掃前と同様の方法で空気中に舞い上がったノロウイルスの除菌を行いましょう。
これで吐しゃ物の清掃・除菌処理は完了です。以上、オゾン発生器を用いてノロウイルス感染者の吐しゃ物を除菌する方法についてご説明してきました。
万が一に備えてノロウイルスの感染拡大を防ぎたい方に、「オースリークリア3」はとてもお勧めです。ぜひお試しください。
当社のオゾン発生器をご利用頂いている食品工場様に取材した内容を、事例としてご紹介させていただきます。 「株式会社米のキムラ 様・導入事例」梅雨や夏期に発生するカビや食中毒対策としてご使用いただいています。
株式会社米のキムラ 様
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